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就業規則に載せてはいけない規定まとめ ~人事編~

就業規則の作成において、載せてはいけない規定をまとめてみました。

就業規則を作成する目的として、従業員とのトラブルを防止するためのルールとして、また、実際にトラブルが発生した際の解決の手段として役立たせることができます。

しかし、インターネットからダウンロードしたひな型的な就業規則ですと、会社にとってリスクが残る規定が存在し、従業員とのトラブルに巻き込まれる可能性があります。

そこで、従業員とのトラブルに巻き込まれやすいよくある規定()をピックアップし、注意点、改善点をお伝えさせて頂きます。今回は、人事編です。

休職

よくある規定(例)

(休職)
第〇条 従業員が次の各号の一に該当した場合は休職とする。
1.傷病による2カ月以上欠勤を続けた場合
2.規定により出向した場合
3.刑事事件で起訴された場合
4.前各号のほか、特別の事情があって休職させることを必要と認めた場合

▶解説① 精神疾患に対応した休職事由を規定する

多くの就業規則の休職規定が、身体的疾患を想定している現状がありますが、休職の場面で、近時問題となる事例の多くは精神疾患です。

精神疾患の場合、連続して欠勤となる場合もあれば、1日出勤して3日休むといったような断続欠勤を繰り返したり、形式的には出勤するものの実際はほとんど仕事ができない状態になる場合も、実務上、多々見られます。

しかし、休職規定上「2カ月以上欠勤を続けた場合」という定めしかない場合、上記のような通常の労務提供が困難である従業員に対して、休職の適用が不可能になってしまいます。

そこで、そのような事態に対応するためにも、「業務外の傷病により通常の労務提供ができず、その回復に一定の期間を要するとき」という休職事由を定めておくのが適切です。


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▶解説② 「新型うつ病」に対応した休職事由を規定する

近年、「新型うつ病」と呼ばれる症状による従業員の欠勤等が問題となっています。新型うつ病の中には、朝、会社に行こうとする段階や仕事をする段階では、うつ症状がみられる一方で、私生活の面では健康な人と同様に生活でき、中には海外旅行ができる人さえいるとの特色を有しているものもあります。

休職制度とは、病気で私生活もままならず、療養を必要とする従業員に対し、労務提供を免除するものであり、の趣旨からすれば、新型うつ病の従業員に対して、休職を適用させる必要はないものと言われています。

したがって、休職の対象となる「傷病」について、「私生活においても療養も療養を必要とする傷病」に限定します。

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▶解説③ 起訴休職は規定しない

「刑事事件で起訴されたとき」等、起訴された事実を休職事由とする、いわゆる「起訴休職」と呼ばれる規定をよく見かけますが、このような定めがある場合は削除するのが適切です。

就業規則に起訴休職の定めがある場合、当該従業員を休職させて一定期間又は判決確定まで当該従業員との労働契約を存続させなければならないのかという問題に直面します。

また、そもそも従業員には労働契約に基づき労務を提供する義務があり、刑事事件で身柄拘束された場合には、労務が提供できないことなり、いわゆる解雇論に話は発展していくことになりますので、
起訴休職は休職事由から削除します。

おすすめ規定(案)

(休職)
第〇条 会社は、従業員が次の各号の1つに該当するときは休職を命ずることがある。
     ただし、第1号、第2号の場合、及び第4号の休職事由が業務外の傷病を原因とする
            場合には、その傷病が休職期間中の療養で治癒する蓋然性の高いものに限る。

    ① 業務外の傷病により欠勤し、欠勤日より2カ月経過しても、その傷病が治癒
       しないとき。
                業務外の傷病により通常の労務提供ができず、その回復に一定の期間を要
                 するとき。
               業務命令により他社に出向したとき
                その他前各号に準ずる事由があり、会社が休職させる必要があると認めた
                 とき。なお、業務外の傷病を原因とする場合でも、第1号の欠勤を前提とし
                 ない。
  2 前項1号及び2号の傷病とは、私生活においても療養を必要とする傷病をいう。
  3 従業員は、傷病による休職期間中は療養に専念しなければならない。

普通解雇事由

よくある規定(例)

(普通解雇事由)
第〇条 会社は、次の各号に掲げる場合に従業員を解雇することがある。
  1.
従業員が身体又は精神の障害により、業務に耐えられないと認められる場合
      2.従業員の就業状況又は勤務成績が著しく不良で、再三注意しても改善の見込み
    が認められない場合

  3.休職期間が満了した時点で、なお休職事由が継続し、復職できない場合
      .事業の縮小その他会社の都合によりやむを得ない事由がある場合

▶解説① 厳格な表記は削除する

就業規則の多くは、「勤務態度が著しく不良で業務に耐えられないとき」や「再三注意しても改善の見込みがないとき」等というように、「著しく」や「再三」等の修飾語を多用したり、「配転するも改善可能性がないとき」等と普通解雇にあたり必要とされる要件を自ら厳格に定めてしまっている規定を多く見かけます。

就業規則に普通解雇事由を定める際には、むやみに自ら解雇の要件を厳格にするような定め方をせず、「著しく」や「再三」等のように修飾語等を多用しない定めをするのが適切です。

 

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▶解説② 休職期間満了時の手続は解雇事由ではなく、当然退職とする

休職者が休職期間終了時に、けがや病気が治らず復職できない場合のような休職期間満了の手続を、解雇事由としている場合は削除するのが適切です。

労働契約の終了の仕方として、会社の一方的意思表示による「解雇」と、労使双方の特段の意思表示を要しない「当然退職」がありますが、「解雇」は、実務上も何かと労使間におけるトラブルのもととなりかねないため、休職期間満了時の手続としては「当然退職」としておくのが適切です。

休職期間を付与したという客観的な事実を前提に、「当然退職」により契約終了事由にすることには、妥当性があると考えられます。

 

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▶解説③ 具体的列挙事由以外の事由に対応した包括規定を設ける

解雇の有効性を争われた場合、当然にその解雇事由が争点になります。

解雇事由に対する考え方として、就業規則に定めた解雇事由でしか解雇できないという考え方(限定列挙説)と、就業規則に記載していない事由でも解雇できるという考え方(例示列挙説)という2つの考え方があります。


実務上は、限定列挙説により就業規則に定めた事由でしか解雇できないという立場に立ったとしても、会社の解雇権限が限定されないようにするため、解雇事由規定には必ず包括条項を規定する必要があると考えます。

一般的な就業規則には、「その他上記各号に準ずる具体的事由があるとき」といった内容の包括条項が解雇事由に規定されていますが、さらに、「会社の従業員として適格性がないとき」として、「上記各号」に準じず、それらとは分離独立した独自の包括条項を定めるのが適切です。

おすすめ規定(案)

(普通解雇)
第〇条 従業員が、次の各号のいずれかに該当するときは、普通解雇する。
    ①    身体、又は精神の障害等により業務に耐えられないと認められたとき
    ②    能力不足、又は勤務成績が不良で就業に適さないと認められたとき
    ③    勤務態度が不良で注意しても改善しないとき
    ④   協調性を欠き、他の従業員の業務遂行に悪影響を及ぼすとき
    ⑤    事業の縮小、その他やむを得ない業務の都合によるとき
    ⑥   業務遂行に誠意がなく、知識、技能、能率が劣り、将来の見込みがないとき
    ⑦    試用期間中あるいは期間終了時に従業員としての適格性が認められなかっ
      たとき
    ⑧   本則に従い、特定の業務あるいは特定の営業目標を定めて雇用された従業員
      がその業務あるいは目標を達成できず、その原因が当該従業員にあるとみな
      されるとき


    ⑨    その他会社の従業員として適格性がないと認められるとき
    ⑩ 前各号に準ずるやむを得ない事由があるとき

最後に

次回は、「労働時間」編です。

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