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残業代をめぐるトラブル ~管理監督者について~

「管理職だから残業手当は支払う必要ない

世間的には間違っていないよう聞こえますが、会社内で管理職としての地位にある従業員でも、労働基準法上の「管理監督者」に当てはまらない場合は、残業代を支払う義務があります。


権限も与えられず、相応の待遇もないまま肩書きだけを「課長」にしたからといって、残業代を支払わないでよいことにはなりません。

労働基準法の管理監督者に該当するか否かについては、肩書きや職位ではなく、その従業員の立場や権限を踏まえて実態から判断する必要があります。

労働基準法に定める「管理監督者」とは

労働基準法412項は、「監督若しくは管理の地位にある者」について、①労働時間、②休憩、③休日に関する規定は適用しないと定めています。

つまり、この「監督若しくは管理の地位にある者」=「管理監督者」に該当すれば、会社は残業代の支払いはしなくてよいことになります。
(ただし、深夜労働に対する割増賃金の支払い義務は発生します。)

管理職としての地位にある社員を「管理監督者」とみなし、残業代の支払をしていない会社は少なくないですが、上述の労働基準法に定める「管理監督者」とは、労働条件の決定その他労務管理について「経営者と一体的立場にある者」とされており、管理監督者に該当するための要件は非常に高く、多くの会社において管理職とされている従業員は、労働基準法に定める管理監督者に該当しないケースがほとんどなのです。

管理監督者の該当性は、名称にとらわれず、実態に即して判断されます。
そして、主に以下3つのポイントで判断されます。

①経営者と一体的な立場といえるほど重要な権限と責任ある職務に従事しているか
②自己の勤務時間について自由裁量権を有するか否か
③経営者と一体的な立場といえるほどふさわしい賃金処遇を受けていたか

それでは、この3つのポイントの詳細についてお伝えさせて頂きます。

[ポイント①]経営者と一体的な立場といえるほど重要な権限と責任のある職務に従事しているか

経営者と一体的な立場と言えるほど重要な権限と責任であるか否かについては、単なる役職などの名称により判断されるのではなく、担当していた職務内容を見て、実質的に判断されています。

以下の職務権限を有しているか確認しましょう。
・採用等の人事権を有しているか(採用、解雇、部下の昇給、人事考課に関与していたかなど)
・労働時間管理を行っているか(シフト表の作成や時間外労働の命令を行う権限を有しているかなど)
・経営会議に参加しているか(実質的に経営に関する意思決定が行われる会議に参加していたか、経営方針の決定や経営を左右するような仕事に関わっていたかなど
)

[ポイント②]自己の勤務時間について自由裁量権を有するか否か

管理監督者に該当する人は、出退勤について厳格な制限を受けないとされており、出退勤時間も自らの裁量に任せていることになります。

したがって、欠勤した場合や遅刻した場合に、給与から欠勤控除や遅刻控除が行われている場合は、出退勤の自由裁量は否定され、管理監督者性を否定される可能性は高いことになります。

また、長時間労働を余儀なくされている場合の様に、実際には労働時間に関する裁量がほとんどないと認められる場合には、出退勤の自由を否定する方向で評価されます。

[ポイント③]経営者と一体的な立場といえるほどふさわしい賃金処遇を受けていたか

管理監督者と言えるためには、一般の労働者と比較して、給料が優遇されていないとなりません。また、昇進により管理監督者に該当する地位に至った場合は、昇進前後の対比を行い、差異がない場合には管理監督者を否定する傾向にあります。

したがって、部下の給与や昇給前の給与と比較して給与待遇が悪化している場合には、管理監督者性を否定される可能性は高いことになります。

その他、長時間労働を余儀なくされている場合は、時間単価に換算した給与額が、アルバイトやパート等の賃金額に満たない場合には、管理監督者にふさわしい賃金処遇を受けていない方向で評価されます。

最後に

管理監督者は労働基準法の定める例外であることから、管理監督者性をめぐって訴訟になった場合、裁判所の一貫した傾向として、過度に該当性を認めることについては否定的です。

そしてなによりも、管理監督者と認められるための厳格な要件をクリアしていない会社は多いため、管理職の残業代をめぐるトラブル事例は多くなっています。

このようなトラブルを避けるためにも、管理職としての地位にある社員を、無理やり管理監督者に当てはめるのではなく、固定残業制を導入するなど、給与の支払い方を工夫して労務管理を行うことをお勧めいたします。

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