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就業規則に載せてはいけない規定まとめ ~労働時間編~

就業規則の作成において、載せてはいけない規定をまとめてみました。

就業規則を作成する目的として、従業員とのトラブルを防止するためのルールとして、また、実際にトラブルが発生した際の解決の手段として役立たせることができます。

しかし、インターネットからダウンロードしたひな型的な就業規則ですと、会社にとってリスクが残る規定が存在し、従業員とのトラブルに巻き込まれる可能性があります。

そこで、従業員とのトラブルに巻き込まれやすいよくある規定()をピックアップし、注意点、改善点をお伝えさせて頂きます。今回は、労働時間編です。

労働時間

よくある規定(例)

(労働時間)
第〇条 始業、終業の時刻は原則として次のとおりとする。
    1
 始業時刻 午前900
    2 終業時刻 午後600

▶解説① 実働時間を明記する

労基法上の法定労働時間(140時間、18時間)を超えて労働させた場合、会社は割増賃金を支払う義務があります。

この点、始業午前9時、終業午後6時、休憩1時間の所定労働時間8時間の会社において、1時間遅刻して午前10時に出勤した従業員が午後7時まで勤務したような場合、労基法上の労働時間である実働8時間を超えませんので、法律上は、労基法上の割増賃金は発生しません。

しかし、この規定のままだと、当該従業員が遅刻したゆえに勤務した午後6時から7時までの時間に対しても、割増賃金を支払う義務が発生することにもなりかねません。


そこで、「所定労働時間を8時間」と明確にして、労基法上の労働時間と合致していることを明らかにし、実働8時間を超えた場合のみ時間外割増賃金が発生するという基準を定めるのが適切と考えます。

おすすめ規定(案)

(労働時間)
第〇条 所定労働時間は、実働8時間00分として、始業・終業の時刻は、次のとおりとする。
            ① 始業時刻 午前900
            ② 終業時刻 午後600
  2 会社は、業務の必要性がある場合、前項の始業、終業時刻を繰上げ、又は繰下げる
    ことがある。

時間外労働命令

よくある規定(例)

(時間外労働命令)
第〇条 業務の都合により所定時間外に労働を命じることがある。

▶解説 時間外労働を事前許可制とする

従業員に対し、時間外労働の必要性が生じた場合に、所属長に事前に許可を得ることを義務づけ、時間外労働を許可制にすることをお勧めします。

従業員の勝手な判断による時間外労働を無制限に許せば、所定労働時間中の労働密度が低下し、割増賃金の支払いが増大する等の悪影響が考えられます。そこで、時間外労働を許可制にして、労務管理上、時間外労働を適切に管理することは非常に重要です。


また、万が一、従業員に残業代請求をされた場合において、タイムカードによる打刻時間が残業働時間であると主張されたとしても、会社は、許可制により認めた時間外労働時間が残業時間であると、正当な反論が可能になります。

おすすめ規定(案)

(時間外労働命令)
第〇条 会社は、業務上の必要性がある場合、所定労働時間外に労働を命じることがあ
    る。
  2 やむを得ず時間外労働の必要性が生じた場合、従業員は、事前に所属長に申し
    出て、許可を得なければならない。従業員が、会社
の許可なく会社業務を実施
      した場合、当該時間については、当該業務の実施に該当する部分の通常賃金及
            び割増賃金は支払わない。

遅刻・早退・欠勤

よくある規定(例)

(遅刻・早退・欠勤)
第〇条 欠勤および遅刻、早退するときは所定の様式により事前に所属長に届けなければなら
      ない。ただし、やむを得ない事由により事前に届け出ることができないときは、電話
            等により連絡し、出勤した日に届け出なければならない。
      
2 病気欠勤4日以上に及ぶときは、医師の診断書等を提出させることがある。

▶解説① 遅刻・早退・欠勤については事前承認を義務づける

従業員は、会社との労働契約に基づき労務提供義務を負っており、その不提供が許されるのは、権利者がその義務を免除した場合のみです。従業員の「届出」のみでこの義務が消滅することはありません。

この点、就業規則の多くには、単に「届け出なければならない。」と定めている例をよく見かけますが、実務的には、避けるべき表現です。必ず「承認制」ないし「許可制」とし、会社が判断・決定するという手続を明確にすることが労務管理上適切です。

 

-------------------------------------------------------------------------------------------------▶解説② 診断書の提出に連続欠勤要件を定めない

私傷病を理由に安易に労務提供義務を免れようとするいわゆる「仮病」を使う従業員に対して、厳正に対応するためにも、医師の診断書の提出を求めるための規定を定めるのが適切です。

医師の診断書の提出に関する規定において、多くの企業の就業規則で、「4日以上連続欠勤する場合」等として、一定日数の連続欠勤要件を定めている例を見かけます。

しかしながら、このような要件があると2日欠勤して1日出勤し、また1日休むといったような、断続的に欠勤を繰り返す出勤不良の従業員に対応できません。

よって、連続欠勤要件は定めず、「診断書の提出を求めることがある」として、上記のようなケースにも弾力的に対応できるよう規定するのが適切です。

おすすめ規定(案)

(遅刻・早退・欠勤)
第〇条 従業員は、私傷病その他やむを得ない事由によって遅刻・早退・欠勤をせざるをとき
            は事前に所属長に届け出て、その承認を得なければならない。
      
2 遅刻・欠勤について、事前に承認が得られない事情があれば、事後速やかに所属長に
             申し出て、その承認を得なければならない。
      
3 会社は、従業員が私傷病を理由に欠勤する場合、医師の診断書の提出を求める
           ことがある。

最後に

次回は、「給与規程」編です。

就業規則の内容を見直したい、新しく就業規則を作成したいなどのご相談ご依頼は、以下のお問い合わせフォームよりお待ちしております。

お客様の声

株式会社ハンズオン
店長 赤沼 潤 様
URL:
https://www.pc-clinic.ne.jp
パソコンの修理、販売等

中小企業診断士の井手先生のご紹介で、大川先生とお付き合いさせて頂くことになりました。

その当時は、当社の労務管理に課題があったため、まずは就業規則の作成を依頼させて頂きました。

大川先生に、各条文の趣旨だったり、抑えるべきポイントを丁寧に説明して頂き、また、社員説明会にも同席してもらい、その節はとても助かりました。

現在は、給与計算と社会保険手続を依頼させて頂いてます。今後ともよろしくお願いいたします。

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